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トスカで泣かされる

先日、ソプラノの富原淑子さんがご出演の「トスカ」ハイライトを聴きに伝承ホールに伺いました。

淑子さんとは青山えり華さんで頂いたご縁です。

 

淑子さんはトスカ役。

お香の会で拝見するお着物姿とはまた違う魅力で、

私は初めて拝聴するオペラでのお声…その清々しい美声に聴き入りました。

 

舞台はピアノ伴奏によるセミ・ステージ形式で、

テーブルや椅子などの大小道具も配され、

また、字幕&幕冒頭のナレーションで、

私のような知識のない人にも物語が伝わるように構成されていました。

 

有名な「歌に生き恋に生き」の前奏が始まった時は「きたきたきた~」とワクワクしました。

そして淑子さんの歌を聴いているうちに、涙が出てきました。

 

これは、歌の内容が理解でき、共感した事が大きかったと思います。

前に座った男性が大きな方だったので、字幕は半分だけ見えましたが、

トスカは、こう歌っていました。

「自然や芸術や美しいものが好きで、今まで楽しく平和に暮らしてきた。

人にも親切にしてきた。神も信心してきた。

それなのに…何も悪いことをしていないのに、

なぜ、こんな辛い目に会うの」…と。

 

普遍的なテーマだと思いました。

 

辛さの種類はいろいろあれど、

人生の中で一度も「理不尽にやってくる不幸」を嘆いた事のない人がいるでしょうか。

 

そのような歌詞が、悲痛な旋律ではなく、えも言われぬ甘美な調べで歌われます。

それが、淑子さんの歌声とぴったりで、

私は心が掻き乱されて、涙が込み上げてきたのでしょう。

 

ああ、よかった!

聞けたことに感謝です。